Column
コラム
今は、スマートフォンを開けば次々に情報が飛び込んでくる時代です。
それも閲覧履歴や購買履歴から興味のある分野が特定され、興味ひかれる情報が勝手に流れてきます。
自分から探しに行く前に、選ぶ前に、見せられる状態です。
そんな中で、見たものにすぐ反応してしまうと、急に気持ちが揺れたり、継続していたやり方を変えてしまったり、不安をあおられることがあります。
そうならないように、まずは自分の価値観や経験、感性(直感)と照らし合わせて、
「これは自分に必要な情報か?」「自分に合う情報か?」の選別が大切です。
そのうえで、実践→感覚→結果による検証に移ります。
■トレーニング情報には“矛盾”があって当たり前
フィットネスの世界では、日々新しいメソッドや理論が登場します。
・「筋トレは朝が良い」vs「夕方の方が効果的」
・「糖質はカットすべき」vs「糖質制限すると太りやすい」
・「筋肥大には高重量」vs「重量よりフォームや可動域」
このように、まるで正反対の意見があふれていますが、どちらが間違いというわけではありません。
目的、体質、年齢、性別、生活リズムなどによって、どちらも正しくなります。
さらに言えば、人のカラダにはトレンドがあります。
ある時期は高重量トレーニングで筋肥大が進み、また別の時には低負荷・高レップスで丁寧に動作した方が成長したりします。
人のカラダは慣れるものなので、成長を促すためには「慣れない刺激」を与えていくことが欠かせません。
ダイエットも同じで、運動量でコントロールした方が進みやすい時期と、食事でのコントロールが効果的な場合があります。
これは体質だけでなく、生活習慣や年代、運動暦、睡眠の質などの細かい要素の組み合わせによっても変わってきます。
一番大事なことは、
他人の成功法が自分にそのまま当てはまるとは限らないこと。
体質や生活リズムの違う他者の方法をそのまま真似して、同じ効果や結果が得られる方が不思議と考える方が自然です。
■大切なのは、「自分の体に効くどうか」を見極めること
どれだけ知識を増やしても、医者や科学者の見解を含めても、
自分にとっての正解は実際に試してみないとわかりません。
3A(Action / Awareness / Assessment)メソッドでいくと:
①実践(Action)
理屈よりも行動。
ただし、1回や2回、1週間や2週間の短期間で「効果なし」と判断するのは早計です。
体の変化には、最低でも1〜2ヶ月というスパンの検証期間が必要です。
②気付き・体感(Awareness)
体が軽い、筋肉の張りがよくなった、汗が出やすくなった、疲労感の変化など
数値では測れない“体の声”を感じ取ることが、自分に合った方法を見つける第一歩。
③評価(Assessment)
体重・体脂肪率・筋肉量・見た目の変化など、客観的なデータで確認して、
小さな変化でもプラスに向かっているのであれば、効果ありと判断できます。
■「継続性」が次のカギ
継続性とは、効果の持続期間のほかに、
続けやすさを意味します。
どれだけ効果的であっても、続けていくのが難しいほどのキツさ、難しさ、経済性であったら意味ありません。
■プラシーボ効果
人は「思い込み」によって効果を出すことがあります。
偽薬と知らず、本物のワクチンと思い込んで打たれると効果が出る反応を「偽薬効果=プラシーボ効果」と呼びます。
自分が信仰する人から教わった方法を「絶対に効く!」と思い込んでやれば、脳派やホルモンの働きが活性化し、本来以上の力を出せることがあります。
「信じる力」は技術的な手法よりも大きな力になります。
トレーニングとは結果を信じて続ける行為そのもの。
■まとめ
情報を鵜呑みにする前に、自分の価値観でふるいにかけ、実践して → 感じて → 結果で確かめる。
この時、自分自身の体型や体質、体調、生活リズムがどのような状態にあるかを記録しておくと、自分に合う条件や方法が明確になっていきます。
このサイクルを繰り返すほど、経験値が増え、“活きた情報”が蓄積していきます。
この経験と情報が増えるほど、トレーニングは継続しやすくなり、より面白くなります。