Column
コラム

たくちゃんの日常(筋肉をつけるスイッチとブレーキ)

トレーニング
著者:川辺拓史

筋肉をつけるための“スイッチ”になるのが「mTOR(エムトア)」、
その逆で、筋肉の成長を抑える“ブレーキ”の役割を持つのが「マイオスタチン」です。

50代、60代になると、このマイオスタチンの働きが強まり、mTORの働きは弱まっていきます。
そのため、若い頃よりも筋肉がつきにくくなり、これが加齢による筋肉の減少(サルコペニア)の一因とも言われています。

私自身も50代半ばから、少しでも食事量が減ったり、ケガでトレーニング強度が落ちると、そのまま筋肉量の減少につながるようになりました。
今現在では、自分の中でのピーク筋量を維持していますが、1年通して持続するのが難しくなってからは、2ヶ月ごとに「増量期」と体を休める「通常期」を繰り返すようになりました。


私の「増量期」について少し書くと、
一般的に「増量期」といったら、“たくさん食べて体重を増やす期間”と考えられがちですが、一定の年齢を超えると、食べるだけでは筋肉は増えなくなります。

タンパク質以外の、ビタミンやミネラルなどの栄養も意識して摂る必要がありますし、それ以上に、「ホルモンの分泌」や「代謝」を上げるため、『運動量(強度)』を高めていく必要があります。

具体的には、増量期中は、筋トレの頻度と強度を上げて、1部位につき週2回を目安に鍛えています。
そのため「ダブルスプリットトレーニング(1日2回の筋トレ)」を取り入れ、週に1日の休みもなく、毎日トレーニングしています。

一般的には「2オン1オフ」や「3オン1オフ」など、2〜3日やったら1日休むスタイルが多いですが、私の場合、休みを取らない方が効果があります。
これは体質ややり方によるので、人にそのまま勧めることはしません。

期間は、2ヶ月を目安にしていますが、1ヶ月半で切り上げたり、3ヶ月近く続くこともあります。
大事なのは、「筋肉量が増えているか」または「筋力が向上しているか」なので、
INBODYでの骨格筋量の変化や、トレーニングで扱う重量・回数が伸びているかを毎週チェックし、2週続けて停滞したら、その時点で終了します。

日々のトレーニングにおいても不完全燃焼を感じたときに、「もう1セットだけ」とダラダラ続けることは、むしろ逆効果です。
増量期間中に衰退させないことと、疲労の度が超えると怪我のリスクが高まるので、このタイミングは逃しません。
今回も、4~5月で行っていた増量期はぴったり2ヶ月で変化が止まり、やめたところです。


食事とサプリメントのポイントについては、
タンパク質よりも合成ホルモンである「インスリン」を、過剰でなく、持続的に分泌することで、体内のアナボリック反応が良くなります。
私の場合、プロテインを2~3時間おきに飲むよりも、おにぎり(炭水化物)1~2個を2~3時間ごとに摂り続けていると、筋肉がつきやすくなります。

また、mTORの活性化に効果的だと言われている以下 栄養素をデイリーサプリとして摂っています:

・ロイシン(アミノ酸。BCAAやEAAに含まれます)
・クレアチン
・オメガ脂肪酸

さらに、加圧トレーニングもmTORの活性化や成長ホルモン分泌に効果があるとされおり、週3は筋トレに取り入れています。

最後に、
「mTOR」や「マイオスタチン」といったものを意識しながらトレーニングしている人は少ないと思います。
でも、こうした体の仕組みを考えながらトレーニングの仕方や食事を工夫することで、少しでも自分の身体で効果が感じられると面白いものです。
筋トレにおける“楽しさ”や“深さ”の一つとして、少しでも参考になれば。

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