Column
コラム
筋肉は損傷をうけると、修復過程で肥大が促されます。
筋肉痛は筋繊維の微細な損傷や炎症によって起こるため、筋肉痛と筋肥大には一定の関連があります。
ただし、「筋肉痛がなければ筋肥大しない」というわけではありません。
実際には、筋肉痛がなくても筋肥大は起こります。
むしろ、筋肉痛が強すぎると回復が追い付かず、オーバートレーニングや筋委縮といったマイナス効果になることもあります。
とはいえ、ハードトレーニーの中には筋肉痛を「しっかり追い込めたか」のバロメーターとしてとらえている人も多く、
私自身も筋肉痛が来ないと「前回のトレーニングはイマイチだった」と感じてしまいます。
部位によっても筋肉痛の起こりやすさには差があって、私の中ではなかなか筋肉痛にならないのが「背中」です。
最後に背中の筋肉痛を感じたのは4年くらい前になります。
普段から背中のトレーニングでは効かせ方を工夫したり、メニューを定期的に入れ替えたりしてきましたが、
高重量を扱っても来なかった筋肉痛が、先日 比較的軽い重量で数年ぶりに来ました。
一般的に、筋損傷を起こしやすいのはPOF法における「ストレッチ種目」です。
筋肉が伸び切った状態で大きな負荷がかかる種目のことで、
背中でいくとケーブルプルオーバーやラットプルダウンでしっかり戻し切るのが主流です。
ただ、ケーブルプルでは腕を後方に伸ばし切った時に肩関節が邪魔をして、広背筋が伸び切る前に可動域が制限されてしまいます。
ラットプルでは、手を広げた状態でバンザイしても広背筋の伸びには余裕を残してしまいます。
そこで考えたのが、手を組んで頭上に伸ばすとしっかり脇が伸びることから、ツインのケーブルグリップを使ったラットプル。
シートには座らず、マシンの前に膝立ちして、骨盤をニュートラル~軽い前傾に保ちます。
グリップを握る手首の角度もニュートラル(自然)にして天井方向へぐっと引き上げると、肩甲骨周り~脇腹まで非常に強いストレッチ感が得られました。
ワイドバーで行うラットプルダウンとのポイントを整理すると、
ワイドバー:横方向へのストレッチ、高重量を扱いやすく、背中の広がりを狙いやすい
ケーブルグリップ:縦方向への強いストレッチ、全体可動域が広く、引き切った時の強い収縮もあり
この種目で筋肉痛が起きた理由は、おそらく普段のトレーニングでは使い切れていなかった可動域に刺激がはいるためだと思っています。 すでに2ヶ月以上続けていますが、まだこのストレッチの痛みに慣れません。