Column
コラム

たくちゃんの日常(怪我をしても、止めない習慣)

トレーニング
著者:川辺拓史

4週間ほど前、体重より重い重量でパワークリーンをしていたときのことです。
バーベルを受けるため深くしゃがんで潜り込みすぎてしまい、腰を痛めました。
直後は起き上がるのも、下を向くことも難しいほどの激痛に見舞われ・・
3週目まで椅子から立つとき、床に落ちている物を拾う動作に苦労しました。
4週間経って、ようやく痛みは軽減しましたが、まだ膝を寄せて普通に靴下がはけないのと、腰ベルトと湿布が外せません。

これまでは隙間時間に海に行っていましたが、7月中は代わりに整骨院へ通っていました。
トレーニングは、やり方と強度を変えて続けていました。


今回は私の話だけでなく、ケガをしながらも運動習慣を続けることを選んだ会員の方のお話も紹介します。

40代で背の高い男性会員YSさんです。
私が腰を痛める前から、相談を受けていました。
YSさんは右肩と左膝を痛め、100%の力ではトレーニングができない状態でした。それでも、「運動は続けた方がいいですよね?」と尋ねられてこられました。

一般的には、「怪我をしているなら、休んだ方がいいです」と答える方が簡単です。

しかし、YSさんの言葉からは、せっかく身についた運動習慣を壊したくないという気持ちが伝わってきました。
動かない期間が長くなれば、筋力や体力が落ち、再開するときのハードルも高くなります。

YSさんは、続ける方向で背中を押してもらいたい方だと感じたので、怪我をしても出来るトレーニング、できる方法をいくつか紹介しました。
痛みや怪我を悪化させるようなトレーニングはしません。
その後も、YSさんは自身の状態に合わせながら通い続けています。


■怪我をしたときに学べること
怪我をすると、それまで扱っていた重量や、メインにしていた種目などできなくなることがあります。
しかし、そういう時こそ頭も使いながら、軽い重量と丁寧な動作で筋肉に刺激を与える方法を学べます。
普段、後回しにしている部位を重点的に鍛えるのもひとつです。

また、筋力や体力が向上し、トレーニング強度が上がってくると、弱い部分に痛みやケガが起こりやすくなります。
トレーニング中の怪我であれば、やり方の悪さか、弱点の表れか、その両方が、ということもあり、振り返りの機会にもなります。

膝や腰が悪い人でもトレーニングをしに来る人は多くいて、教科書的にこういうトレーニングがいいですよ~とわかっていても、いざ自分がその状態で経験したことには大きな違いがあります。

腰を痛めるのは数十年ぶりですが、今回いろいろ気付いたことがあります。
今は少しでも骨盤を後傾にするとズキッ。前傾も深くなるにつれ痛みが増します。
後傾の方が腰に良くないということですが、一方で骨盤ニュートラルな状態であれば痛みを感じにくく、腰が楽です。

また、足腰膝に問題あったり、関節リウマチがある場合は、中腰スクワットのアイソメトリックス法をおこなったりしますが、
いざ自分がそんな状態でやってみたところ、普段トレーニングしている人には効かない運動であると感じました。
反対に、一見、腰に悪そうなブルガリアンスクワット。
首を下に向けるのも厳しい状態でも、骨盤をニュートラルに保つことで、フルレンジで行えることを発見しました。
お尻に効かせることだけ考えたら骨盤は前傾気味の方がテンションをかけられますが、骨盤ニュートラルは体(腰)に無理をかけない姿勢になります。


■続けることと、無理をすることは違う
怪我をしても運動を続けるかどうかは、ケガの状態にもよりますが、一番はその人の価値観次第です。
続けることを選んだなら、ケガや痛みを刺激するような無理をするのではなく、できることを探します。

トレーニングはしなくても、ジムへ来て、ストレッチだけ行う。
それでも、運動とのつながりと気持ちを保つことはできます。


最後に、
私がYSさんにアドバイスした時間は、ほんのわずかです。
それを実践し継続しているのは、ご本人の意志と努力にほかなりません。

楽しく、調子のよい時に続けることは簡単でも、
本当の習慣になるかどうかは、思うように動けない時や、気持ちが乗らない時の行動で決まります。

怪我はしないことが理想です。
それでも、もし怪我をしてしまった時は、「出来る・出来ない」の前に「続けたい・続けたくない」で考えてみるのも一つの方法だと思います。
壁を乗り越えるたびに習慣は定着していきます。

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